14才の地図

「だめだよ、そんなことしたら。あたし、真紀がそのきんいろの髪、かきあげるの、すごく好きなんだから…」

「じゃあ、どーしたらいい? 言ってよ」

あたしは、ひとつ、大きく深呼吸した。

湿った、潮の香りがする。

今日の海は、穏やかで、優しかった。

「あたしさぁ、今日、弥勒寺連れて、えーこに会いに行ったの」

「うん?」

突然の話題の転換に、真紀はとまどう。

ズラしてんじゃねーよって、言われるかと思ったけど、黙って聞いてくれた。

「そしたら、えーこ、逃げんの」

「そっかぁー…」

「もう、かかわり合いになりたくない一心ってかんじでさぁー。すたこらさっさ」

「弥勒寺、顔こえぇからぁ…」

「でも、イーヤツじゃん」

「うん」

「ショックだったなぁ…。えーこ、『あたしたち親友ね』なんて、しゃあしゃあと言ってたんだぜぇ」

「でも、あんたはそう思ってなかったくせに」

うん。それは、否定できない。