14才の地図

あたしは、くすっと笑った。

笑うと、お腹が痛い。

ちょっと顔をしかめた。

「お腹蹴られてるから、しばらくは、ご飯とか、ちょびっとづつ食べるのよ。吐いちゃうからね」

「はい」

「さ。麻酔は効いたかな」

さつきサンは、そっとあたしの瞼をさわった。

感覚がない。

「眼、とじて」

「さつきサン、朽木サンの彼女なんですか?」

不意に、そんな質問が、口をついて出た。

さつきサンは、ちょっと考えて、答えた。

「一平は、9つも年下なの。だから、お互い、割り切ってるわ」

「でも、さつきサンて、すごく綺麗で、すてきだから…」

「ありがと。でもね。さっき、一平、弥勒寺から電話もらって、血相かえて飛び出して行ったのよ」

「え?」

「弥勒寺に命じてあったらしいのよ。あなたのこと心配して。…ちょっとヤケちゃったな」

「それは…。あたしが信じられなかったから…」

「ううん。そんなことないと思うわ。あいつ、女のことであんなに顔色変えたこと、なかったもの」