14才の地図

さつきサンは、笑った。

「やるじゃん」

「あたしね、どーしていーか判らなかったんだ…。朽木サンと約束してたし、緒方くんたちの気持ちも判るし…」

「それで、ボコボコになっちゃったの?」

「う、ん…。かっこわるいよねー…」

さつきサンは、注射器を取りだした。

「ちょっと、麻酔するよ。眉毛のとこ、縫うから」

ちくん。

顔に注射針がささった。

「傷、残っちゃう?」

「うん。少しね。でも、眉の下だから、目だたないと思うよ」

「そっか」

「それより、火傷のほうが、痕残ると思うわ」

「…判ってる」

さつきサンは、ちょっと手を休めた。

「あたしね、弥勒寺の先輩なの。村岡小学校の。あたしが中3のとき、ボランティアで小学校に行って、新入生の面倒、見てたのよ。その時の問題児が、弥勒寺。弱いくせにケンカばっかして、しまいにはおもらししちゃって、タイヘンだったんだからぁ」

「やだぁ…」

「だから、あいつは、あたしに頭が上がんないの」