14才の地図

松浪の木造2階建ての古いアパートについた。

階段を昇ったいちばん奥の部屋が、朽木サンの家。

あたしは、そこに運び込まれて、ベッドに寝かされた。

全身がしびれたように、じんじんして、自分の体じゃないみたいだった。

「病院、行かなくていーんスか?」

弥勒寺が、タオルを濡らして来た。

「医者、呼んだから」

冷たいタオルが、おでこにあたる。

ぴりっとした痛みが、走った。

でも、冷たくて、気持ちいー。

「医者って、さつきサン、医者なんスか?」

「なんだおめー、知らなかったのか?」

さつきサン…。

「知りませんよぉ。あのひと、こえぇんですもん」

そうこうしているうちに、外に、バイクが止まった。

低いところでひゅんひゅんいうような、マルチの音だ。

階段を駆け上がる音が響く。

トントントン。

ノックが3回。

「開いてる」

朽木サンの声と同時に、ドアが開いた。