14才の地図

ひと呼吸おいて、緒方くんがうながした。

「瀬嶋、話してくれ」

「はい」

瀬嶋は、浅くうなずいた。

「7月26日、日曜日のことです」

あたしは、ドキリとした。

確かに、その日、あたしは朽木サンと会った。

「『帝釈天』の初代が、『血狼』の三条に腕を落とされたのはご存知ですね? 自分は、その見舞いに行く途中、朽木サンを見ました。この人といっしょでした」

瀬嶋が、あたしのほうを見た。

ちょっと、責めるような眼をしてた。

「間違いねーか?」

緒方くんは、厳しい声で念を押す。

「自分も、『帝釈天』の2代目の看板しょった男です。間違いありません」

「ということだ。まい、なんで、隠す?」

緒方くんは、ちょっとなだめるように、言った。

あたしは、答えられない。

緒方くんは、瀬嶋を見た。

「瀬嶋、そン時の様子を聞かせてもらおう」