断罪者


それまで暴れていた娘さんも諦めたのか静かになり、夫に母親に届け出欲しいと、1通の手紙を手渡しました。

夫はその手紙を、直ぐに金山さんに届けに行きました。


娘さんからの手紙を受け取った金山さんは、その時初めて涙を見せ、こう言いました。


『家書 万金に抵る』


そしてその場で、娘さんへの返事を書き、夫に託しました。

そして深々と頭を下げ、笑顔で3ヶ月間の礼を言いました。


夫はその姿を見て、やはり処刑する事は間違っていると思い、夜陰に乗じて2人を逃がそうとしました。

しかし、夫やその家族に害が及ぶ事を知っていた金山さんは断固拒否し、逃げなかったのです。


処刑の当日、夫は泣く泣く2人を処刑しました。

いえ…

正確には、金山さんを処刑したのです――


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