占いサイトを閉鎖する為には、パスワードが必要なんですが、それは分かりません。
しかし、パスワードの代わりになるものが、1つだけあるんです。
それが、金山 チズ子さんの『好きな歌』なんです。御存知ないですか?」
私は祈る様な思いで、 朝比奈さんの目を見詰めた。
朝比奈さんでさえも知らなければ、実質的に可能性がなくなる…
朝比奈さんは私から視線を逸らせ、首を横に振った。
「歌謡曲の話などする人ではなかったから、私には分かりません」
「そ…そうですか」
最後の希望が潰消えた。
膨大な歌謡曲から、好きな歌を見付ける事など不可能だ。
しかもチャンスが1度きりとなれば、尚更確率は落ちる…
私は絶望感で、思わず目を閉じて俯いてしまった。
「でも実際に、チズ子さんには、好きな歌謡曲など無かったと思いますよ」
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