しかし、人々を救う為に尽力したとしても、チャンスは1度きり…しかも命懸けだ。
店主は、私達を精神的に追い詰め、楽しんでいるんだ!!
きっと、裏口の鍵が開いていたのも、わざとらしく1箇所にカセットテープが集められていたのも、店主の仕業に違いない。
だからといって、既に引くに引けない…
店主が姿を消して5分程が過ぎた頃、ようやく私は動き始めた。
「愛美…
とにかく、この箱を持ち出すしかない。
とてもじゃないけど、今直ぐにこの中から選ぶ事なんて出来ないよ」
「そうだね」
私はカセットテープが入っていた箱を両手で持ち上げると、そのまま居間の方に運んだ。
カセットテープとはいえ、これだけあれば重い。
愛美が先導し、扉を開けて外に出た。
それにしても、カセットテープ1本につき10曲として520曲。その中から、どうやって1曲を選べば良いのだろうか…
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