現場に行ってみるしかない。
そう思い立った私が、窓とは反対側にある出入口から飛び出そうとした瞬間、目の前で扉が開いた。
「沙菜!!」
入ってきたのは沙菜だった。私は間髪入れず、沙菜の両肩を掴んで顔を近付けた。
「前原は…前原はどうなったの!?」
「ち、知花……」
沙菜の強張った表情が一層曇り、ついには下を向いた。
冷たい沈黙が続き、私の不安感が徐々に高まり一気に溢れ出した。
「沙菜!!
黙ってないで教えてよ。前原は一体どうなったの!?」
沙菜は俯いたままで、重い口を開いた。
「救急車で、総合病院に運ばれた。
だけど…」
「だけど」という言葉に、私の胸が締め付けられる。その言葉の次に、良い話が続くとは到底思えない…
「だけど、助からないと思う。救急隊員の声が聞こえたの…
もう脈が無いって」
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