恋スル運命

ユーリおばさまとはすぐに仲良くなった。

歳なんてすごく開いてるのに恋愛話なんかもいっぱいした。




祖母が寿命を全うしたのは私が17歳の冬。




ひとりぼっちになった私に『ワタシと一緒に暮らさない?』

手を差しのべてくれたユーリおばさまに迷いもなく「一緒にいたい」と言った。










『ユーリおばさま、日本に戻ってこないの?』




美緒の言葉に、思い出に浸ってた私はハッとする。




「もうかなり高齢だからね。元々フランスに住んでたんだし永住するつもりで戻ったんだと思うよ?

でもたまに連絡が来るから寂しくないけどね」




今の化粧品会社に就職して少し経ったある日


ユーリおばさまは私に『フランスへ戻ろうと思う』と告げた。




ユーリおばさまの弟の体調が思わしくないと聞いていたからイヤだなんて言えなかった。




“いつか沙羅にきっと素敵な人が現れるわ”





恋愛の話になるといつも言ってくれてた言葉。





“会ったら絶対にこの人!ってはっきりとわかるわよ。あなたには運命の人がちゃんといるんだから”




好みでもない海偉に牽かれてるのが運命、って意味になるのかな?