恋スル運命

私が家を空けている時に祖母に何かあっても困る。




休みの日には祖母のいる老人ホームへ顔を出す。




そこで出会ったのがユーリおばさまだったんだ。




ユーリおばさまはお友だちが祖母と同じホームに入所していて、たまたま私と同じ日にホームへ来てた。




初めてユーリおばさまを見たとき驚いたなぁ。




だってどこからどう見ても日本人じゃないんだもの。





透き通ったような色の白さと綺麗なブルーの目。



『ワタシの母国はフランスなのよ』

流暢な日本語にも驚いたけど、お陰ですぐに親しくなった。

亡くなったご主人が日本人で言葉を覚えたんだって教えてくれた。




祖母と同じ歳なのに見えないくらい若々しくて。


おばーちゃんと呼ぶのは失礼に値する若さ。


本人は最初嫌がったけれど、ユーリおばさまって呼ぶようになった。



そう言えば、ユーリおばさまに初めて声をかけられた時、



『サラ様?』



様付けで呼ぶからびっくりしたっけ。




祖母も私の名前を教えてもないのに、知ってた事に驚いてた。