恋スル運命

『麗子には関係ない。それよりこんな所まで追いかけてきてどうした?

用があるなら電話すればいいだろう?』





『まだ近くにいらっしゃると思ったものですから。

こちらのデパートの社長が、夜に食事にとお誘いが。どういたします?』





『夜は先約があるから無理だ』





チラリ、と私を見てから答えた海偉を神田さんは見逃さなかった。





『……失礼ですがご友人とのお約束も大切でしょうが、
社長との食事の方が今後先生の仕事の活躍に繋がる大事なコネクションかと……』





ジロリと私を見て言う神田さんにますます嫌悪感が沸き上がった。





別に私から誘ったわけでもないのに何で睨まれなきゃいけないの。




むーかーつーくっ!!





「神田さんて、お仕事熱心なんですね」




にっこり笑いながら話しかけた。



もちろん反撃するために。