『沙羅大丈夫!?一体何されたの?』





道路に座り込む私の背中をさすりながら聞かれて、全てを話してしまおうかと口を開きかけた。





けれど





「話してただけなんだけどちょっと怖くて腰抜けたみたい」






さっきの切なそうな表情を思い出すと、彼だけを悪者にしちゃいけない気がして、つい庇ってしまった。






あんな威圧的で、超俺様ですごくイヤなヤツだけど、きっともう会うこともないんだし。




美緒にまでこれ以上悪いイメージ与えて大輔さんとの関係に何かあっても悪いし。





そんな事を思いながら、歩き去っていった方向をじっと見つめていた。