恋スル運命

パーティーなんて私とは無縁の、物語の中だけの世界だと思ってた。




物語として読んでた分には憧れたりもしたけれど、自分の身にふりかかるとなれば話しは別だ。




マナーも分からないのに私、大丈夫かしら。と不安でしょうがない。




ヴェルレール家に嫁いだということはそういう場所にこれから何度も顔を出すということ。




改めて知るヴェルレール家の凄さ。ジョージさんの妻という席の重圧。




ジョージさんに恥を掻かせないように振る舞える?




ううん。振る舞わなくてはいけないのよ。




そう思うと憂鬱な気持ちになって、昨日はあまり眠ることが出来なかった。




だからだろうか。決して心地よい揺れではないのに、今になってウトウトと眠気に誘われるのは。





だけどやっぱり、ヴェルレール家の者として、うたた寝なんて、ダメよね。はしたないと思われるわ。




姿勢を正して頭を2、3度小さく振って眠気を飛ばす。




また眠気に教われる前に、目的地につくことをただひたすら願った。