恋スル運命

『じゃあ、そこにいる女も一緒ならいいか?』




カイが指差す方向には、紅茶を淹れていたユーリが立っていた。




『ーー』




思案するジョージさんにカイは畳み掛けるように続ける。




『まだ心配ならエドガーもつければいい』




エドガーさん…ーー




ここへ来るときに迎えに来てくれた、このお屋敷を取り仕切る執事。




厳格そうな顔に、無口な彼が私は苦手だった。





『エドガーをお付きにしたらサラはもっと強張った顔をするよ』




そんな私の表情を読み取るようにジョージさんは苦笑する。




苦手意識がバレてたことが恥ずかしくて俯いてしまった。




『2人きりじゃないなら問題はない。サラとユーリを、君の寝泊まりしてるコテージへ向かわそう。それでいいかい?』




ジョージさんの言葉に俯いてた顔をあげる。




こうしてここへ来て、初めての外出が決まった。