恋スル運命

『狭い部屋に閉じ籠ってるから辛気くさい顔しかしないんだ。外に連れ出して気分転換させりゃ少しかマシな顔してくれるだろ』





言いながら窓を開けたカイ。





冷たい風が室内に入り込んで、冬の空気が立ち込める。




『そういえばサラはここに来てから一度も外に出てないね』




ジョージさんの言葉に、私も、確かに、と思ってしまった。




『でも妻を他の男と二人で外出させるわけにはいかないよ』




『心配ならジョージも来ればいいだろう』




『僕は仕事があるんだ。家にいるからそうは見えないかもしれないが、今も仕事中なんだよ?』




書斎を振り返りながら言うジョージさん。




その言葉に気付かれないように、ひっそりと落胆していた。





ホントは興味があったの。




窓から見える景色以外の風景を直に見てみたいと密かに思ってたから。





その機会が予想よりも早くきて、思わぬ形で実現すると期待してしまった。