恋スル運命

次の日も、その次の日もカイさんに笑うように言われて試みたけれど、一度として納得してもらうことが出来ずにいた。





『ーー』





大きくため息をつかれたのはこれで何回目になるのかしら。




こっちはため息通り越して、泣いてしまいそうだわ。





俯き、膝の上にそっと重ねてる手を見つめる。




初日に比べれば、ずいぶんと上手に笑えてると思うの。




それなのに、ダメ出しばかり。




もうどう笑えばいいのか、さっぱりわからないわ。





『ジョージ!』





突然大声を出したからビクンと体が波打った。





椅子をひく音が書斎から聞こえてジョージさんが現れた。





『完成したの?』




穏やかな声で問いかけるジョージさんにカイさんは首を横に振る。




『明日、サラを外に連れ出しても構わないか?』





カイさんの唐突な言葉に、ジョージさんも私も目を見開いた。