恋スル運命

『あの、海偉さんは沙羅とどちらで会った事があるのかお伺いしてもいいですか？』





私が知らないと答えると美緒が尋ねてくれた。





そうよ。会った事があるならば、どこでか言ってくれた方がはっきりするじゃない。





『………………』





だけどその問いかけには一切答えようとせずに、私をひと睨みしてから、ずっと空いていた空席にドカッと座ってしまった。





『ちょっと！聞いた事に答えるか、言いたくないなら言いたくないって言うなり出来ないんですか？』





美緒もさすがにイラッときたのかムッとした顔で言う。





そこに大輔さんが慌てて走って来て美緒の肩を抱きながら宥め始めた。





『ごめん！言うの忘れてたけどコイツ人見知り激しいんだ。な？内田！』




内田さんに同意を求めて内田さんも何度も大袈裟に頷いて見せてくる。





『人見知りするヤツなのに沙羅ちゃんにいきなり抱きつくから驚いて固まっちゃったよ！

海偉！お前沙羅ちゃんが可愛すぎて我慢できなかったのか〜？

沙羅ちゃんもごめんね？悪いヤツじゃないから許してやって』





「………はあ。」




内田さんにお願いのポーズをされて渋々頷きかけた時だった。