恋スル運命

小麦の需要率は変わらないのに、他にもたくさん同じような農場が出来て。




経済援助も打ち切られて、それに加えて少しずつお父様の農場から顧客が他に流れて行くのを止める術はなかった。




それでもまだ多くの従業員を抱えながらもなんとか持ちこたえてたお父様の農場。




それが変化したのは去年の事。




おかしな天候が続いて、小麦の収穫は大打撃をうける。




今までずっとお父様の所から小麦を買ってくれてた大企業が離れてしまった。





このままじゃ潰れてしまう。




必死に新しく小麦を仕入れてくれる所を探し回って、手を差しのべてくれたのがジョージ様の会社だった。




お父様の農場と専属契約してくれるだけではなく、出資もしてもいい。




その代償が




娘の私だと知った時、どうして断る事が出来るだろう。




“わかりました”と何の感情も込めずに返事をした私を見て泣いたお父様。




私を憐れんで泣いたのか、
農場を守る事が出来て安堵して泣いたのか……




聞く事なんて出来なかった。