もう見れないと思っていた風景が、こうして目の前にある。
それが嬉しくて、だけどやっぱり切なくて。
その想いが雫となって目から零れ落ちる。
ポロポロと想いの分溢れて止まらない。
止まらないよ、……カイ。
『沙〜羅っ。一人で観てないで海偉さんと一緒にいなさいよっ。
大変よっ!神田っていう例の女が来たのよ!
海偉さんにベッタリでこのままじゃ……え?…泣いてるの?
っていうか顔色真っ青!!大丈夫っ!?』
「美緒…私……」
声を掛けてくれた美緒を振り返ろうとして、体がよろめいた。
『具合悪いのね!?大輔さんに診てもらおう?
今、呼んでくるからここで待ってて!
海偉さんも連れてくる!!』
「だ、駄目」
順路を逆方向に駆ける背中には、私の声は届かなかった。
ここにいてはいけない。
もう、あなたとは会わない。
会っちゃいけないんだから。
ふらつきながら出口へ向かって
私は、また彼の前から…
逃げ出した。
それが嬉しくて、だけどやっぱり切なくて。
その想いが雫となって目から零れ落ちる。
ポロポロと想いの分溢れて止まらない。
止まらないよ、……カイ。
『沙〜羅っ。一人で観てないで海偉さんと一緒にいなさいよっ。
大変よっ!神田っていう例の女が来たのよ!
海偉さんにベッタリでこのままじゃ……え?…泣いてるの?
っていうか顔色真っ青!!大丈夫っ!?』
「美緒…私……」
声を掛けてくれた美緒を振り返ろうとして、体がよろめいた。
『具合悪いのね!?大輔さんに診てもらおう?
今、呼んでくるからここで待ってて!
海偉さんも連れてくる!!』
「だ、駄目」
順路を逆方向に駆ける背中には、私の声は届かなかった。
ここにいてはいけない。
もう、あなたとは会わない。
会っちゃいけないんだから。
ふらつきながら出口へ向かって
私は、また彼の前から…
逃げ出した。

