恋スル運命

『お嬢さんたち、海偉の知り合いだったんだね。

どうも。うちの息子がお世話になってます』




話しながら差し出された手は私に握手を求めてる。




「いえ、こちらこそお世話になってます」




お世話になるほど海偉とは会ったりしてないんだけど、一応大人としての挨拶はしとかなきゃね。




あ、名前も言うべきだったかな?




なんて思いながら握手するために私も手を出した。




手と手が合わさる瞬間、横から伸びてきた手に阻止され、手首を掴まれ、引っ張られた。




「きゃっ」




小さな悲鳴をあげた私の肩を抱くように支えたのはーー…




海偉だった。




『サラに触んなエロ親父』



そして威嚇する様に睨む。



エロ親父って……。


じゃあ私の肩を抱く海偉はエロ息子なんじゃない?




なんて考えながらも、チラリと見上げれば至近距離に海偉の横顔。




見慣れないスーツ姿の海偉。




反則だよその姿。




今までの海偉とはギャップが激しすぎる海偉の姿にクラクラする。