恋スル運命

同じ様に手を挙げる海偉。



そして私の側にいる初老の男性に訝しげな視線。




『わざわざ見に来んなって言ったろう。くそ親父』




『親を労らないバカ息子のお前にとやかく言われる覚えはない。

買い物ついでにたまたま寄ったまでだ』




険のある口調の海偉に対して、穏やかな口調の男性。



………ん?くそ親父とバカ息子??




え?




えぇっ!?




慌てて大輔さんを見る。
大輔さん、海偉の同級生なはず。

なら海偉のお父さんだってなんで気付かなかったの!?




私の視線の意図を読み取って大輔さんはこう言った。




『どこかで見た事あると思ってたんだけど、思い出せなくて…ごめんね?』




……覚えてないんじゃ文句も言えないよね。