恋スル運命

「か、海偉なの？」




『他に誰に見えるっつうんだよ』




だ、だって！！




目に映る人物の頭から足先まで何度も見てしまう。




いつものボサボサな髪型、無精髭にＴシャツ・ジーンズの海偉じゃない。




傍目から見てもわかる位質の良い黒いスーツを身に纏って、

ボサボサだった髪の毛は整髪料で後ろに流すように整えられていた。




そして




伸ばしっぱなしのヒゲはきれいさっぱり剃られていて、
隠れてた顎のラインがくっきりと現れた。

今まで見えなかったシャープな顎のラインがやけに魅力的に見えて、胸がドキドキと高鳴っていく。






『ちょっと！海偉さん合コンの時とは大違いでかなりイケメンじゃない！』




美緒も興奮を抑えきれないのか、耳元で内緒話のように話そうとしたみたいだけど、声がだだもれ。

大輔さんが『美緒、浮気はよしてくれよ？』と言いながら海偉に軽く手を挙げて挨拶をした。