しばらく経ってからたつやの携帯に電話が掛かった。



「…はぁ!?今なんて言ったんだ!!」



電話越しにたつやが怒鳴る。表情は、いつもの何倍も怖い表情で…



『若、落ち着いて下さい!火事は、一応収まりましたから!でも…組長の部屋は…』



「分かった!!今すぐ行く!!だから、お前らは、待ってろ!!」



そう言ってたつやは、携帯を切った。



「ピクニックは、中止だ!今すぐ俺は、屋敷に戻る」



「何かあったのか?」


たつやに恐る恐る問い掛ける。すると、たつやは、ポツリと呟いた。



「オヤジの部屋が燃やされたらしい」



「!」



俺は、直感で一条組だと思った。



たった…



「俺行くわ!」



え?と紫海が、俺を見上げた。



「紫海は、たつや達と居ろよ?」



「恭平!?」



「恭平!!」




俺は、担いでいた荷物を紫海に渡し無我夢中で掛けだしていた。



後ろから、たつや達の声が俺を呼び止めたけど、俺は聞こえない振りをして一条組に向かった。