そう思いながら俺は、また銃を握りしめ撃つ。今度は、にっくき麻美の顔を浮かべながら…



バキュン…
「っ…」



俺…今…



麻美の顔が、一瞬だけ紫海の顔に見えたような気がし、撃った事に後悔した。



俺…



切なそうな紫海が浮かんだ。何か俺に伝えたいって表情だった。







少し経って、差し入れのサンドイッチにかぶりつく。しゃーねーから、たつやにも一つだけ分けてやると、ボソボソと話し出した。



「桐生がさ……二股したって…」



桐生がか!?あのサングラス野郎!死刑だ!死刑!



「あ!桐生じゃなくて…桐生が見たらしいんだ!」



なんだ。でも、あやつは、死刑で良いだろう。金にうるさい野郎だしな。