「どうかしたか?」



銃を構えながら俺は、的に集中し前を向いたまま問いかける。


バキュン…
「また…」



銃の音で良く聞き取りずらい。



「はぁ?」



「だから!」



バキュン…
「…また!」



また重なる。たつやの声は、銃の音で何度も何度も遮られる。



「っ…」



何度も何度も銃を握りしめ、撃ったせいか俺の指には、小さな豆が出来ていた。


久しぶりだしな…こんな銃撃つの…重森さんに良くこき使われたっきりかもな。


「でっ?なんだよ!」


「だから!二股だよ!耳わりいだろ!?」



ちょっと怒り気味のたつやを後目に俺はそっかと呟く。



たつやも二股かよ。最近の女は、二股バカりなんだな?最悪だぜ!