次の日

いつもより早く目が覚めた。

「有香ちゃんおはよう」

笑顔で部屋に入ってくる剛を見て

少し安心。

落ち着くことができた。

剛は、あたしといる間

手術の話はしなかった。

だから、落ち付いて一緒にいることができた。

何分かして、

家族が来た。

お母さん以外は、すごい久し振り……

5年ぶりぐらいかな?

今年5歳になる一番下の妹とは

今日が初対面。

最初で最後の対面になるのかな…?




時間が来た。


看護師さんの指示通り

ストレッチャーに乗る。



剛が来て

「桜見に行こうな」

そう言ってくれた。

あたしは、

明るい未来を

信じた。

次、目を覚ましてる時は

元気な心臓で生きてる。

そう信じて…

目を閉じた。