「あっ……。」

霧が晴れていく。

そして、『血月』が姿を現した。


「これが……血月……」

あっ……ありえない。なにこれ。なんで……





「村人達が……死んで……る?」

「なんで村人達が死んでんだよ!?」

知らない

そんな


村人達が死んでるなんて


そんなの


聞いてない……






『キラッ』


ふいに背後から視線を感じ振り返った。

すると、鋭い矢がこっちに向かって放たれようとしていた。

「伏せて!!!」

「えっ…どうしたの?アーシェ。」

「いいからっ!早く伏せて!」

「わかったよ。」

そしてピアザが伏せた瞬間に、


『ヒュッ』


ピアザの頭上を矢が通った

「なっ……な……」


やばい。他からも視線を感じる。

「逃げるわよ!ピアザ!」
「なんだかわかんないけど了解!」



私達は一目散に逃げた。

その先が『血月』だとは知らずに……



そして


『血月』から私達を見ている


あの視線に……