梨沙の家、喫茶店のカウベルが鳴る。
扉が開いて、梨沙が帰ってくる
梨沙 「あー、ハラへったぁ。
今日は、何?」
母 「何なの? その言葉。
そんなんじゃ、彼氏が出来ても、
すぐ、振られるわね」
ドカっと、カウンターの椅子に座る梨沙
梨沙 「朝は、早よから朝練で、
夜は、早寝で、どこへも行けず、
恋をする暇なんかありましぇーん」
馴染みの客が、声をかける。
客 「梨沙ちゃん、
誰か、好きな子、いるの?」
梨沙 「それは、ひ・み・つ」
客 「おっ、いるんだ」
梨沙 「だから、ひ・み・つ」
客 「ハハハ、それ、
秘密になってないって」
梨沙 「えっ、そうなの?」
母 「もっと、国語の勉強、してよね。
はい、どうぞ」
テーブルの上に、クリーム・シチューを置く
梨沙 「げっ、ブロッコリー」
母 「何言ってんの。
これ、結構、評判いいのよ」
テーブルにつく、梨沙
しばらくスプーンですくっては、戻している
客 「早く食べないと、冷めるぜ」
ブロッコリーをスプーンですくって、
見つめる梨沙
母 「どうしたの?。おいしいわよ」
梨沙 「ちょっと、心の準備を…」
母 「イヤなら、残してもいいわよ」
梨沙 「いや、食べる」

