部活~ウチら、バスケ部~中学編


港南中学校、朝。

登校し、廊下を教室へ行く佐紀。

友達が、声をかけると、笑顔で返す。

   「おっはよー」

廊下の先で、雅美が
友達の美紀と談笑しているのが見えたので、

   「あっ、雅美…」

佐紀は、笑顔で、声をかけようとした。

しかし、雅美は佐紀を見つけて、
逃げるように、自分の教室に入ってしまった

困惑顔になる佐紀。


佐紀は、自分の教室へ入ると、
最前列にいる、梨沙の所へ行き、
空いていた隣の席に腰を下ろす。

梨沙 「おっはー」

佐紀 「おはよう。ねえ、誰か
    バスケットする子、いないかなあ」

梨沙 「うーん。バスケ、
    人気ないからなあ。
私ら、弱いし」

後ろの掲示板の所から、
クラスメイトが声をかけてきた。

   「ねえ、この202点って、本当?」

振り返った梨沙は、
クラスメイトに、可愛く肩をすくめて見せる

佐紀のほうへ向き直ると、渋い顔になって、

梨沙 「昨日の結果、
    もう、張り出されてるじゃん。
    新聞部のやつらめ。
    私ら、ちょっと、有名人?」

佐紀 「誰か入ってくれる子、探そうよ。
    あと一人いれば、
    試合、出来るんだから」

梨沙 「うん、だよね。
    試合出来ないってのは、
    ちょっと辛いものがあるしー
    でも、202点取られたチームに
    入る子、いるかなぁ」

佐紀 「休み時間に、声、掛けてみよう?」

梨沙 「わかった。物好きが、一人くらい、
    いるかもね。
    ……で、雅美はどうする?」

佐紀 「今は、無理だと思う。
    かなり、ショック、
    受けてたみたいだし……。
    私達で、何とかしよう?」

梨沙 「来る者拒まず、去る者追わず、
    ってか? 冷たいねえ、佐紀は」

佐紀 「いや、
    そういうつもりじゃないけど…」

梨沙 「別にいいじゃん。
    ミニバスやってて、上手いからって
    いつも、大きな顔してたんだから」

佐紀 「一年生のほうは、亜紀と夕紀に、
    言ってあるから」