夜。梨沙の部屋
梨沙が、机の前に座って、本を読んでいる
ドアをノックして、梨沙の母が、顔を出す
母 「もう、寝る時間じゃないの?」
梨沙 「うん」
母 「あんた、何してるの」
驚く母と、不思議そうな顔の梨沙
梨沙 「ん?。本、読んでんじゃん」
母 「あー、驚いた。
初めて見たんじゃない?
マンガ以外、読んでるの」
梨沙 「そんなことないじゃん。
たまに、読んでるよ。
本当に、たまにだけどね」
母 「何で、また」
梨沙 「コーチが、本、読め、
って言ったんだもん」
母 「へー、何で?
バスケットのためか、何か?」
梨沙 「まっ、そんなトコ」
母 「だったらこれ、ずっと、
続いてくれるのかな?」
梨沙 「当ったり前じゃん。
バスケットの練習だもん」
母 「ハイハイ、そうね。
バスケットのためなら、
何でも出来るもんね。
こんな練習なら、ママ、大歓迎よ。
で、何、読んでるの?
バスケットの本?」
梨沙 「いやっ、これっ」
本を上げて、表紙を見せる梨沙
梨沙 「佐紀に借りてたんだ。
結構、面白いよ」
母 「ふーん。でも、もう寝ないと、
明日、起きられないわよ」
梨沙 「うん、わかった」
部屋を出て行く母
梨沙は、本を机の上において、電気を消す

