夜、雅美の家では、リビングで
雅美が、ソファに寝転んで、
お菓子を食べながら、
小学生向けの本を読んでいる
本は、「日本昔話」
横で、兄が、バスケットボールを回している
母 「そんな格好で読んでいると、
目、悪くするわよ」
雅美 「うん」
母 「あら、めずらしい。
マンガかと思ったら、
本、読んでるじゃない。
って、あなたその本、
友美ちゃんの本じゃないの。
中学生が読むような
本じゃないわよ」
父 「ハハハ、いいじゃないか。
何を読んだって。
まずは、読むという事が
大事なんだから」
チラッと父を見て、無視する雅美。
母に向かって
雅美 「だって、コーチが、本、読めって。
これなら、字も大きいし、
読みやすいかなっと」
兄 「へー、じゃあ、
バスケットの練習なのか。
何なんだ?
俺は、そんなの言われた事無いぞ」
雅美 「イメージ・トレーニングだって」
兄 「へー」
ボールを回す兄
父 「おい、パパの本、読むか?」
チラッと父を見て、無視する雅美
父 「まあ、俺のは、
小難しい本ばかりだからな。
読んでも、面白くないか」
母 「もう……まあ、
読んでるだけ、いいとするか。
それより、あなた、
宿題もちゃんとしなさいよ」
雅美 「うん」
兄 「おっと…」
兄のボールがそれて、机の灰皿に当り、
吸殻が散乱する
母 「あっ、もうー、何してんの。
そんなの、部屋でやってよ」
吸殻を片付ける母。
兄は、平気な顔で、ボールを回している
お菓子を、食べる雅美
雅美 「やっぱ、マンガのほうが、
面白いなあ」

