全員を前にして
三田 「この一ケ月、
皆のやる気を見せてもらった。
いい加減な気持ちでやったって、
上手く行くはず、無いからな。
楽して、上手くなるほど、
バスケットは甘くない」
顔を見合し、肩をすくめる、梨沙と友理
三田 「面白い練習をしたければ、
面白くない練習を、
それ以上にしなければならない。
いざ、試合になって、走れない、
ミスばかり、では、
面白くないだろう?」
うなずく雅美。じっと見る、佐紀
三田 「この1ヶ月、5人はよくやった。
1週間で投げ出したら、
コーチを断ろうと思っていたが
この、ただ走るだけ、跳ぶだけの、
面白くない練習に、
よく頑張ったな。
まあ、最後には、
キレたやつもいたけど」
驚く梨沙。小声で
梨沙 「えっ、何で知ってるの?」
三田 「これで、ようやく、バスケットの
練習の、スタートにつけたわけだ。
ただし、これから、面白い練習が
始まる訳ではない。
まだまだ、面白くない練習を、
やってもらう。
でも、上手くなりたいという、
強い気持ちがあれば、
そんなに辛い練習には、
ならないだろう。
今日の試合で、いろんな課題が、
見えてきたし。
それに、直さなければならない
ことも、たくさんあるしな」
うれしそうに、練習メニューを見る、佐紀

