部活~ウチら、バスケ部~中学編


顧問は、あきれたような声で、

   「いや、まぁー、よく取られたなあ。
    202点だぞ、202点。
    コート、半分、要らなかったな」

全員が、顔を上げ、顧問を睨む。

   「おっと……。すまん、すまん。
    まあ、あいつらは、全国へも
    行けるチームだからな。

    しかし、0点はないだろ、0点は…

    港北も、もう少し手を抜いて
    くれてもいいのに、なっ、なっ」

皆に同意を求める、顧問。

キャプテンの雅美が、顔を上げ、

   「先生!、私達、
    一度くらい勝ちたいです」

横から佐紀も、

   「もっと、きちんと教えてください」

顧問は、困ったように頭をかきながら、

   「そんなこと言ったって、
    俺の専門は体操だからなあ」

顧問は、ブツブツ、独り言をつぶやく。

   「体操部は解散して、無くなってたし
    バスケット部の顧問がいない、
    って言うから………」


しかし、気を取り直して、胸を張り

   「でも、
    バック転なら教えてやれるぞ」

間髪を入れず、梨沙が、

   「いらない。……じゃあ、
    誰か、コーチでも付けてよ」

顧問はまた、ひとり言のように、

   「そうか?…そうだよな。うーん、
    じゃあ、ちょっと、
    あたってみるか」

顧問は、胸を張り、全員を見渡して、

   「お前たちも、一生懸命練習すれば、
    いつか港北に……」

全員が、顔を上げ、一斉に顧問を見る。

   「…は、勝てないか。
    まあ、今よりは、良くなると、
    思うぞ。なっ、なっ」

ため息をつく、佐紀。

イヤ~な顔をして顧問を見る、雅美。