作業着の三田がやってくる

三田 「どうした、練習してないのか」

佐紀 「あっ、コーチ」

梨沙 「おっ、来たぁ」

全員、立ち上がり、コーチの前へ行き並ぶ

梨沙 「コーチ。
    私ら、もうイヤです、こんな練習。
    毎日、毎日、走るだけで…」

友理 「そうです、ウチら、
    バスケットがしたいんです」

コーチを見上げる5人。

無視して話す三田

三田 「明日、練習試合をする」

佐紀 「えっ、どこと?」

三田 「相手は港東中だ」

佐紀 「えっ、そんなぁ。
    突然、言われたって…。
    港東中って、結構強いんだから」

友理 「バスケットの練習なんか、
    してへんのにー」

佐紀 「コーチ、無理です」

三田 「じゃあ、止めるか」

佐紀 「あっ、いや、べつに、
    やらないとは言って…」


梨沙 「あーあ、また、ボロ負けかあ」

皆集まり、円陣を作り、手を合わせ、力なく

佐紀 「百点取られないように、頑張ろー」

同じく、力なく

   「オー」

力なく

佐紀 「10点以上、取るぞー」

青空が広がる中、消え入りそうな声が広がる

   「ォ~~…」