部活~ウチら、バスケ部~中学編


友理のいた、神戸の中学校、体育館。

練習していると、コーチの怒号が響いた

   「友理ー!」

全員、ピタッと止まる

部員達が後ずさりして、離れて行った

コートの中央に、一人、残された、友理

皆は、遠巻きに、迷惑そうに見ている

サイドにいるコーチが怒鳴っている。

   「お前…何遍言うたら、わかるんや。
    言うた通りやれば、ええんやろが。
    なんで、でけへんのんや」

下を向いたまま、無言の、友理

   「どんなんや。……でけへんのんか」

下を向いたまま、無言の、友理

   「もうええわ。横で見とれ」

下を向いたまま、首を横に振る、友理

コーチの声が、大きくなる

   「なんでや。でけへんのやろが。
    横に出とけ」

唇を噛んで、首を横に振る、友理

   「お前が、そこに居ったら、
    練習、出来へんのんや。
    コートから出ろっ!」

悲しそうに、コートの外へ出る友理

   「よーし、続けろ」

部員達が、中へ入って来て、練習再開

横で、一人離れて、立って見ている、友理

コーチが大声で

   「今度の大会は、絶対、
    優勝するんやからな」

部員たちのひそひそ声が聞こえてくる

   「もう、邪魔やなあ。
    練習になれへんやんか」

   「ホンマや。あんなんで、
    よう、続けてるわ」

コートでは、何事もなかったように、
練習が続いていた。

それを見ている、泣きそうな友理