部活~ウチら、バスケ部~中学編


校舎玄関。
ジャージ姿の佐紀達が、空を見上げている

佐紀 「ランニング、どうしよう」

梨沙 「いいじゃん。出来ないんだから」

友理 「せやせや、1日くらい、走らんでも
    どうってことないやん。
    やめよぅ?」

佐紀 「うーん、でもー…」

梨沙が振り返り、廊下を指差し

梨沙 「じゃあ、ここ、往復」

佐紀 「そうだ、せっかく、
    階段があるんだから、あの階段を
    3階に上がって、
    こっちの階段を下りてきて…」

友理 「えー、そんなん、ええやん。
    ここ、往復で」

梨沙 「何周?」

友理が、キッと振り返り、梨沙をニラむ

佐紀 「廊下、何メートル?」

梨沙 「うーん、階段から、階段まで……
    30メートルくらい、かな?」

佐紀 「階段が、10メートルとして、
    全部で……、80メートル。
    ランニングは、3キロだから…」

梨沙 「3000割る80は、っと。
    えーっと、はっさん二十四で…」

佐紀 「37.5。37周と半分」

目を見開く友理

友理 「えー、そんなにぃ…。
    37周半やて、中途半端やん。
    もう少し減らそう?」

佐紀 「じゃあ、35周」

友理 「階段は、えらいんやから……、
    もう一声!」

佐紀 「うーん、それじゃあ30周。
    これ以上はダメだからね」

友理 「もう少し……。ダメ?」

懇願するように佐紀を見る、友理

佐紀 「ダメ! いい?30周だからね。
    じゃあ、行くよ!」

走り出す佐紀達。

渋々ついてゆく、友理

友理 「しゃあないなあ」