部活~ウチら、バスケ部~中学編


朝。佐紀のクラス

佐紀の席の前で、
梨沙が、椅子にまたがって、座っている

佐紀 「本、ちゃんと、読んでる?」

梨沙 「いや……まだ…」

佐紀 「ダメだよ。ちゃんと読まなきゃ」

そこに、友理もやって来る

梨沙 「だって、ウチ、
    漫画しか無いんだもん」

佐紀 「じゃあ、私の、貸してあげる。
    どんなのがいい? 泣けるの?
    面白いの?、恋愛物とか」

梨沙 「面白いの。
    それと、字の大きいヤツ」

佐紀 「もう、梨沙ぁ。わかった。
    何か、探して、持ってきてあげる」

友理 「私も、お願い。
    私、恋バナが、いいかな?」

佐紀 「わかった」

梨沙 「やっぱ、読まなきゃ、ダメかなあ」

佐紀 「そうだよ。これも、
    バスケットの、練習なんだから」

友理 「何の、練習やろ」

佐紀 「イメージ・トレーニングって、
    言ってたじゃない」

友理 「どない、役に立つんやろ」

佐紀 「わかんない。でも、読まなきゃ、
    何に役立つかも判らないでしょ?」

梨沙 「それは、そうだけど…。
    あーあ、マンガなら、
    いくらでも、読めるのになあ」

佐紀 「梨沙ぁ」

梨沙 「ハイハイ、わかってるよ。
    誰も、やらないなんて、
    言ってないじゃん」

チャイムが鳴る。

自分の席に戻る、梨沙、友理