ゴール・リングに、シュートが入る。
「ビ~~~~~~」
オフィシャル・タイマーのブザーが鳴る。
審判が片手を上げ、長い笛を吹く。
「タイム・アップ」
不適に微笑みながら、
肩の所で軽く拍手する、港北コーチ。
両者、一列に並んで、最後の挨拶。
港南 0-202 港北
得点板の、百の位には、
先程の「2」の紙が、貼ってあった。
審判が、黒のチームに、手を上げる。
「ありがとうございました」
互いのベンチへ挨拶に行く両選手。
黒の港北キャプテンが、すれ違う時、
「フゥー、さすがに
200点も入れると疲れるわね」
横にいた港北センターが、
「ダメだ、こりゃ」
港北のガードが、
「バスケ、やめたら?」
下を向き、唇をかむ佐紀。
振り返り、港北をにらむ雅美
港南 0-202 港北
得点板が、まだ消えずに残っていた。

