部活~ウチら、バスケ部~中学編


前の日、ビルの工事現場。

三田が、軽トラで、弁当を食べていると、
携帯が鳴った。

三田 「もしもし。あっ先輩。
    ご無沙汰してます」

先輩 「おぉ、久しぶり。
    おい、突然で悪いんだけど、
    お前、今、どこかで、
    コーチしてんのか?」

三田 「いえ、コーチはもう……、
    あのチームでコリてますから。
    あれからは、何も…」

先輩 「実は、恩師からコーチ、
    探してくれって、頼まれてな。
    いろいろ当ってはみたんだが、
    なかなか、いなくてさ。
    もう、お前しか残っていないんだ。
    なんとか、頼めないか?」

三田 「いや…、もう、コーチは……」

先輩 「そんなこと言わずに、頼むよ」

無言の三田

先輩 「ダメかぁ?…」

三田 「すみません」

先輩 「じゃあ、見に行くだけでもいいから
    一度、行ってくれないか?」

三田 「いや、しかし……」

先輩 「頼むよ。行くだけで、
    俺の顔も立つから、なっ」

しばらく考え、渋々

三田 「はい、じゃあ」

先輩 「おお、すまんな。
    なんか、スゴいチームらしいから」

三田 「えっ、いや、そんな強いチームは」

先輩 「ハハハ、逆だよ、逆。
    まっ、行けば分るから。
    詳しいことは、また後から、
    連絡するよ。
    じゃっ、頼んだぞ」

電話が切れる。

携帯を戻し、遠くを見つめる三田。