部活~ウチら、バスケ部~中学編


佐紀たちが、練習をしていると、
窓から、ボサボサ頭でひげ面の、
作業服を着た男が、中を覗き込んでいた

気付いた友理が、佐紀の所へ来る。

梨沙、亜紀達も集まって来る

友理 「ねえ、ねえ。変なのが
    こっち見てるんやけど」

佐紀 「えっ、変質者?」

友理 「そうかも」

梨沙 「わっ、キモーい」

佐紀 「どこ?」

友理 「あっちの、窓」

梨沙、振り返る

佐紀 「見ちゃ、ダメ。よーし」

5人、頭を寄せて打ち合わせ。


内と外で挟み撃ちにすることにして、
梨沙と亜紀と夕紀が、外へ周る。

ボールを転がし、取るふりをして、
窓へゆく佐紀と友理

男の背中から、梨沙が声をかける

梨沙 「あんた、誰?」

驚き、振り向く男。

中から、佐紀が声をかける

佐紀 「変なことすると、先生呼ぶから」

驚き、振り向く男

三田 「いや、俺は…」

顧問がやって来た

顧問 「おい、どうした」

佐紀 「あっ先生、変な人が」

顧問が、男を見て、

顧問 「誰だ、君は」

三田 「えっ、あっ、俺は、その、
    先輩に言われて、あの、ここの、
    バスケット部を見に…」

しどろもどろで答える男

顧問 「ああ、君がコーチの」

三田 「そうです、そうです。
    私がその、コーチの三田です」

顧問は、佐紀達に向かって

顧問 「先生がな、大学の監督に頼んで、
    探してもらってたんだ」

佐紀 「大学のバスケ部?。すごーい」

顧問 「いやっ、体操部の監督に
    頼んだんだけどな」

梨沙 「えー、大丈夫?」

顧問 「さあな。まあ、
    バスケットのコーチをという事で
    探してもらったから、
    大丈夫なんじゃないか?
    ………たぶん」

不安そうに男を見る佐紀達。

頭をかく、頼りなさそうな三田