雅美の家、ダイニング
家族で食事中。
食物を頬張ったまま、楽しそうに話す雅美
「佐紀がな、中でボール、
もらうんだけど、あの身長だから
すぐ、潰されちゃうんだ。お前は
センター違うっちゅうの」
箸を持ったまま、身振り手振りで話す雅美
「でも、センターの友理より、
いいタイミングで入ってくるから
つい、パス、しちゃうんだよね。
友理が入って来い、ちゅうの」
雅美の兄が前を向いたまま、ボソッと言う
「お前が動いて、
中からのパスをもらうんだよ」
「えっ」
「中へボールが入ると、
ディフェンスのスタンスが変る。
その隙に、ブラインドへ動いて、
ボールをもらうんだよ。
そうすれば、
シュートにせよ、パスにせよ、
オフェンス優位で、
出来るだろ?」
「そっかあ。
明日、佐紀に、言ってみるよ」
楽しそうに、試合の話をしている雅美
笑顔で聞いている、雅美の父と母

