部活~ウチら、バスケ部~中学編


佐紀のクラス

チャイムが鳴り、皆が、バタバタ席につく。

担任が入ってくる。

後ろから友理がついて、入って来た。

目を見開く佐紀。

「ほおー」っと、見上げる梨沙

   「起立、礼」

   「おはようございます」

   「着席」

   「おはよう。今度、こっちに
    転校してきた熊井さんです。
    じゃ、自己紹介を」

不安そうな顔の友理は、目が泳いでいた。

関西なまりで、話す友理。

   「お母さんの仕事で、神戸から
    こちらに来ました。熊井友理です。
    部活はバスケットをしていました。
    よろしくお願いします」

バスケットという言葉に反応し、
佐紀と梨沙は顔を見合わせ、ほくそ笑んだ。



チャイムが鳴るやいなや、
2人は友理の席に飛んで行った。

左右に立ち、机に手をつきしゃがみ、
友理を見上げて話す2人。

佐紀達は興奮のあまり、早口でまくし立てる

佐紀 「ねえ、ねえ、
    バスケット部に入らない?」

梨沙 「私、梨沙。
    あんたなら、即レギュラー」

対して、のんびり話す、友理

友理 「でもー…、
    私、むこうでは、補欠やったんだ。
    それに、しんどいこと、イヤやし」

佐紀 「えー、こんなにデカいのに?」

友理 「デカい、デカいって、
    何べんも言わんといて」

佐紀 「あっ、ごめん。でも、やろうよお」

友理 「んー、じゃあ、考えとく」

梨沙 「そんなこと言わないで、
    ねえ、やろうよ」

佐紀 「こんなに、デカ……あっ、ごめん
    身長、あるんだから、
    もう、バスケットやらなきゃ」

友理 「前の学校でも、そう言われたわ。
    でも、私、鈍いから…。
    そやから、補欠」

梨沙 「そんなの、何とかなるよ。
    ねえ、一緒にやろうよ」

佐紀 「うちのチーム、
    そんなに強くないから」

梨沙 「そう、そう、みんな、ヘタクソ」

2人は、自虐的愛想笑いで友理を見上げる。