佐紀が、やって来る

佐紀 「何ですか? コーチ」

しばらく考えていた三田が、話し出す

三田 「これは、お前にだけに話すから、
    誰にも言うな」

怪訝そうな顔の佐紀。三田は、空を見ながら

三田 「雅美はな、
    勝つことに対しての、執着が強い。

    それは、悪いことではないんだが、
    あまり強すぎると、
    周りと摩擦が起こる」

三田のは、南城高校の、
喧嘩の場面を思い出していた。

佐紀は、選抜大会の控室での、
雅美と梨沙の言い合いの時のことを
思い出していた。

三田 「もし、そのままにしておけば、
    皆の反感を買い、孤立するだろう。

    だから、雅美に対して、
    きつく当たることによって、
    皆の反感を、俺に集めるように
    してきたんだが…」

少し考えて、独り言のように

三田 「少し、やり過ぎたかもしれないな。

    そうだな、まあ雅美も、
    少し、変ってきたようだし、
    言い方を、変えることにしようか」