雅美は、体育館に入って行った。
靴下で、フロアに上がって行く
案内しながら、話すコーチ
「どうだ、なつかしいだろう?」
「今年のチームは、どうですか?」
「ハハハ、うちは、いつも一緒さ。
知ってるだろう?」
「やっばり?」
「小学校のうちは、バスケットが
楽しいなと思ってくれれば
いいんだよ。
勝負のバスケットは、
中学校へ行ってから、
やればいいんだ。
皆で協力し合って、闘う、その、
協力することが楽しいんだ、
ってことが
分かってくれたら…、
それでいいんじゃないかな。
バスケットは、
一人じゃ出来ないからな」
「はい…」
「まあ、こんなことを考えて
やっているのは、
俺だけかも知れないがな」
子供達が、練習しているのを見ながら
「あの頃は、楽しかったなあ。
全然、勝てなかったけど」
「勝ち負けは、単なる通過点だからな
ところで、おい、中学生になると、
敬語、使えるようになるんだな」
イタズラっぽく笑うコーチ
「えっ、そんなこと…」
雅美も、恥しそうに笑う
「ハハハ、じゃあ、あっちの4年生に
シュート見せてやってくれないか」
「はい、わかりました」

