港南中体育館。

外では、雪がちらついている。



皆で練習している。3・オン・3

雅美のすぐ近くをボールが通って、
梨沙にパスが入る

笛を吹く三田

三田 「雅美!、見え見えのパスだろう?
    カットしろよ。

    今のは、一つ前から、
    そこに来るのは、判っていたぞ。
    もっと、考えろよ」


友理のディフェンス。梨沙がオフェンス

梨沙にパスが入る。

コースがそれて、キャッチ・ミス

友理の前で、バウンド。梨沙の、リカバー

笛が鳴る

三田 「友理、見てるんじゃない。
    手を出すんだ。
    オフェンスがあわてて、ミス、
    するかもしれないだろう?

    見ているだけなら、
    リカバーされるじゃないか。

    それに、見ている時は、
    足が止まっているから、
    抜かれるぞ」

三田 「梨沙、キャッチ・ミスだぞ。
    ボールのコースを見ろ。
    ミートして、つかむんだ」



雅美のオフェンス。ボールが入る

雅美、強引にカット・イン。

友理がカバーに出てくる

止まってジャンプ・シュートを打つが、
ブロックされる

笛を吹く三田。きつい口調で

三田 「雅美!、一人でするな。

    友理が出てきたということは、
    友理のついてたオフェンスが、
    ノー・マークということだろう?

    より確率の高いプレーを選ぶんだ。
    周りを見ろ。お前一人で
    やっているんじゃないぞ」

穏やかな声で

三田 「友理、今のは、ファウルだ。
    ボールを叩くな。シュートの
    コースを叩きに行くんだ」