練習が終って、ジャージ姿の皆が、
汗を拭きながら出てくる。

階段に腰をおろし、

佐紀 「ねえ、ねえ、私、見えたよ。
    なんか、言葉では上手く
    言えないんだけど」

友理 「そう、そう、私も。
    なんか、来るような気がして」

佐紀 「なんだろう?
    何か浮かんでくるんだよね」

友理 「これ、本を読んでいるから?」

佐紀 「わかんない」

梨沙 「早寝・早起き?」

佐紀 「うーん、どうかな」

雅美 「好き嫌いせずに食べる?」

3人、一斉に

   「ない、ない、それは、絶対、ない」



コーチが出てくる。佐紀達の前に立ち

三田 「みんなも知っていると思うが、
    明日から、選抜予選が始まる。
    1回戦の相手は、港西中だ」

雅美 「港西中って強かったっけ」

佐紀 「この前の港東中と
    いい勝負だったかな?」

雅美 「じゃあ、強いんだ」

コーチは、皆を見渡して

三田 「相手が強いか、弱いかは関係ない。
    一生懸命、バスケットを
    すればいいんだ。

    強ければ、やめるのか?、
    弱ければ、手を抜くのか?
    そうじゃないだろう?

    どんな相手でも
    ベストを尽くすことを考えろ。
    それが明日につながるんだ」

雅美を見る三田。下を向いている佐紀達