「バスケが好き」
最初は、それだけだった
-----10月-----
市民体育館、正面玄関の入口に、
[市内中学校新人バスケットボール大会]
の看板が立てられている。
その入り口を入り、エントランスに立つと、
中からは、声援・笛の音が、
かすかに聞こえてきた。
玄関を上り、通路を、アリーナへと行く。
アリーナへのドアを開けると、
声援が一挙に大きくなった。
アリーナでは、2面に分かれて、
試合が行なわれていた。
その1面では、今から、試合が、
開始されようとしていた。
白のユニフォームの港南、佐紀たちが、
円陣を組んでいる。
4番、キャプテンの雅美が、声を出す。
「港南、ファイトー」
「オー」
ジャンプ・ボール。ボールが上がる。
歓声が上がる。
試合が始まった。
黒いユニフォームの港北と、白の港南。
黒、港北が、タップのボールを取り、パス
港北4番がシュートを打つ。
ゴール・リングにシュートが入る。
白6番、佐紀が、そのボールを取って、
外からスローイン。
港北にカットされてシュートを打たれる。
あわてる佐紀。
ゴール・リングに、シュートが入る。
佐紀がボールを持って、右に、左に、
迷いながら外からスローイン。
港北がカットしてシュートを打つ。
ゴール・リングに、シュートが入る。
再び、佐紀がボールを持って、
外からスローイン。
港北がカットしてシュートを打つ。
ゴール・リングに、シュートが入る。
佐紀は、泣きそうな顔になる。