「川上…陵弥…?」


カワカミリョウヤ




「うん。アンタの話からすればソイツで間違いないよ」





教室に戻って沙織に中庭での事を話した。





「何…今度はソイツ?
でも…あんまいい噂聞かないよぉ」





噂?…




……



「アンタ男に執着しないから知らないか…」




首を傾げる私に沙織が教えてくれた。



アイツ…川上 陵弥の噂。



私はアイツがくれたボタンを眺めながら、沙織の話に耳を傾けた。






川上 陵弥。
どうやら同級生らしい。


あの外見で女子から人気は凄くて取り巻きがいるとか…
ケンカが強いとかで、裏でヤバい事してるんじゃないかって噂で、
男子はビビって近付かない奴も多いらしい。




そして沙織の付け加えた言葉。




「アンタが川上 陵弥と関わったりしたら、ただでさえ面白くない女子に何させるか…」





そう言って肩をすくめた。