まだまだ私は4番目。

着替えもせずに、ベッドに倒れ込んでいると、控え目なノックの音がした。

「瑞希…。」

ママだ。鍵を閉めてなかったので、ママはそっと中に入って来た。

電気もついてない暗いこの部屋に、ママの姿がぼんやりと見えた。

「パパの気持ちもわかってあげて…。相手の方ね、パパの会社にとって大事な取引先の息子さんよ。せめて会うだけでも…。」

「やだよっ!私には翔がいるんだもん!」

「でもね、瑞希…。」

「出てってよお!」

ママは小さくため息をついて、部屋を後にした。